2011年10月18日火曜日

今冬300万キロワット供給不足も 関電「節電要請せざるを得ない」



関西電力が今冬の電力不足に備え、他の電力会社からの電力融通や自家発電の買い上げなど、外部からの電力調達を当初計画より100万キロワット程度積み増ししたことが17日、分かった。だが、全11基の原子力発電所が停止する恐れのある来年2月には、300万キロワット以上の供給不足になると試算している。関西経済連合会の森詳介会長(関西電力会長)は同日の会見で「節電要請せざるを得ない」と述べるなど、冬の電力逼迫(ひっぱく)が深刻化しつつある。
 関電が関西広域連合に提示した資料によると、定期検査などで全11基の原発のうち、10基が停止する12月には約80万キロワットを外部からの調達により新たに確保。寒さが厳しくなる1、2月は100万キロワット程度を当初の計画から積み増した。
 しかし、全ての原発が停止する恐れのある2月4、5週は、予想される最大需要2559万キロワットに対し、トラブルに備え最低限必要な余力を加味した場合、約306万キロワット(11・9%)が不足する見通しとなっている。
 関電は、これらの試算を基に、火力、水力発電所の検査時期の変更や、他の電力会社から調達する電力の拡大などを検討し、供給力の改善をはかる考えだ。
こうした状況を受け、森会長は会見で「(定期検査中の)発電所が再稼働できなければ、国や関西広域連合などとも調整して、節電要請をせざるを得ない」と、今冬に節電要請を行う意向を表明した。
 また、工場など産業向けの冬の節電目標を家庭・事務所向けと比べて低くする案については「公平さという視点で考えると、個人的には難しいと思っている」と慎重な姿勢を示した。
 一方、課題となっている家庭での節電については、冬の電力需要は朝方や夕方に増えることから「洗濯の時間や炊飯器(のスイッチ)を入れる時間を工夫してもらう必要が出てくる」(森会長)と説明。正式に節電を要請する際、具体策を紹介する考えを示した。
 冬の節電については、27日の関西広域連合委員会で、関電が改めて試算を示し、節電内容や期間について最終調整を行う予定だ。

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