2011年4月24日日曜日

米紙「福島に比べればスリーマイルは公園の散歩」

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は20日、福島第1原発の除染や密閉などについて、1979年の米スリーマイルアイランド原発事故のケースよりも長く困難な作業が待ち受けているとの記事を掲載した。スリーマイル事故後に作業に当たった複数の関係者の話を引用した。

 関係者らは、短期的には「数週間で雨期(梅雨)が来て、より多くの汚染水が周辺環境に流れ出る可能性がある」として、水素爆発で破壊された原子炉建屋の修復に残された時間は少ないと指摘。また、放射線量が非常に高く、重圧下での長期の作業となるため、熟練作業員の数の確保に注意を払う必要があるとした。

 スリーマイル事故後の現場の放射線量は、米原子力規制委員会(NRC)が定める「1年間の上限を1分間で浴びる」ほどの高レベルだったという。

 また、福島では建屋を修復し、燃料棒抜き取りのためのクレーンを修理・設置する必要があるが、建屋を再建する必要がなかったスリーマイル原発でもクレーン設置までに5年かかったという。

 スリーマイル事故の初期除染作業に関与した当時の技術者は「(スリーマイルでの作業は)福島の状況に比べれば、公園を散歩するようなものだった」と述べ、福島原発での作業ははるかに困難だとの見方を示した。

 ただ、関係者らは、福島での作業について、スリーマイルなど過去の経験を応用できる可能性にも言及した。(共同)

2011年4月22日金曜日

原発作業員襲う4重のストレス…過酷な環境、鬱などリスク


福島第1、第2原発の東京電力社員約90人を16~19日に現地で診察した愛媛大医学部教授の谷川武医師(49)=公衆衛生学=が取材に応じ、「不眠を訴える人も多く、このままでは鬱病(うつびょう)や過労死のリスクがいっそう高まる」と指摘、入浴や食事の環境を整え、休息が取れるよう配慮すべきだと訴えた。

 

4重のストレス


 「危険な作業」「被災者」「肉親や友人の死」「加害者」の4重のストレスを感じている人もおり、早急に精神的ケアが必要な状態だという。

 谷川医師は1991(平成3)年から福島第1、第2原発の非常勤産業医。16日から4日間にわたり、第2原発の免震重要棟に寝泊まりしながら診察した。

 谷川医師によると、中には24時間態勢で作業に従事し、一時、外出を禁止されていた人もいた。最初は1日1食、現在は3食になったが、缶詰やレトルト食品が中心の偏った食事だという。

 第1原発で作業を終えた人は除染し、第2原発の敷地内にある500人収容の体育館で雑魚寝。畳を敷き詰め、その上に防寒シートを敷き、毛布と寝袋にくるまる。幹部以外は「4勤2休」のシフトで、4日間は入浴できない。

 谷川医師は「通気性のない防護服は大量の汗をかく。疲れも取れず、さまざまな病気や皮膚疾患になりやすいだけでなく、作業ミスも生みかねない」と懸念する。

約30人を問診したところ、危険な作業の重圧に加えて、「家族に『行かないで』と言われながら仕事に行っている」「家を失い、休日は避難所で生活しているが、住民から厳しい視線にさらされている」-など強いストレスがうかがわれたという。

 谷川医師は「現場社員の8割以上が原発20キロ圏内に住まいがあり、中には家族を失った人もいる。一方で『加害会社に勤めている』との負い目を抱え、声を上げられていない」としている。

 

長期戦へ休憩所開設


 東電は、原子炉の冷却や汚染水の処理などのため第1原発敷地内で働く作業員の休憩所を新設し、21日から使用を始めた。収束まで少なくとも数カ月と長期戦になる見通しで、作業員の体調管理に必要と判断した。

 東電によると、休憩所は、5号機と6号機の間にあるサービス建屋の一部を除染し、放射性物質を除去できる換気装置を取り付けるなどして設置、広さ約120平方メートルで最大40人が使える。余震などの際の避難場所としても利用できる。通常は、被曝(ひばく)の恐れがある区域として隔離する「放射線管理区域」に入る際、着替えなどの準備をする場所を活用した。

 大量被曝と隣り合わせの過酷な環境下で、防護服や防護マスクを着用しての作業のため疲労が早く、梅雨や夏場を控えて熱中症対策など健康管理は大きな課題。現場などから休憩所の確保を求める声が上がっていた。

2011年4月20日水曜日

小雪&松山ケンイチ結婚していた!すでに同居も


女優、小雪(34)と俳優、松山ケンイチ(26)が今月上旬に結婚していたことが19日、分かった。双方の事務所関係者が明らかにした。2人は4月1日の大安に、都内の区役所に婚姻届を提出。2008年に撮影した映画「カムイ外伝」の共演を機に、オープンに愛を育んできた美男美女カップルは、約3年の交際を実らせ、ゴールイン。小雪は妊娠しておらず、今後も女優業を続ける。(サンケイスポーツ)

2011年4月17日日曜日

飯舘村1万マイクロシーベルト超

文部科学省は17日、福島第1原発から半径20キロ圏外の16日までの積算放射線量が、福島県飯舘村で1万120マイクロシーベルトになったと発表した。1万マイクロシーベルトを超えたのは、同県浪江町に次いで2例目。同原発の北西側の積算量が高いという。3月23日以降、各地に簡易型線量計(ポケット線量計)を置いて、定期的に計測している。また、大気中のちりやほこりを調べた結果、飯舘村の別の地点と南相馬市で法令の濃度限度を上回る放射性ヨウ素を検出した。

2011年4月14日木曜日

アフラック、保険1契約で義援金200円 総額2億円見込む

アフラックは14日、東日本大震災の復興支援のため、がん保険と医療保険の主契約1件につき、義援金最大200円を被災地域の自治体に寄付すると発表した。同社と賛同した販売代理店が負担し、昨年同時期の販売件数から推計すると、12月末までに総額2億円を見込む。

 アクサ生命保険も6月末まで主契約1件につき1ユーロ相当額を被災地で医療活動をするNGO(非政府組織)に寄付する。

2011年4月8日金曜日

ミシュラン2つ星シェフも被災者支援、フランス料理「炊き出し」


[東京 6日 ロイター] 東日本大震災被災者支援の輪が国内外で広がりを見せる中、福島第1原子力発電所の事故による避難者が多く身を寄せる福島県郡山市の避難所では6日、仏ミシュランガイドの格付けで星を獲得した有名シェフが、フランス料理を振る舞った。

 今回のフランス料理による支援は、日本に滞在するフランス人のグループが呼び掛けて実現。いつもは都内のレストランで腕を振るうシェフ2人が車で避難所を訪れ、不自由な生活を余儀なくされている被災者に束の間の「一流料理」を楽しんでもらおうというもの。メニューには、ポテトやチーズを使ったアッシェ・パルマンティエのほか、デザートも用意された。

ミシュランガイドで2つ星を獲得した「キュイジーヌ ミッシェル・トロワグロ」のエグゼクティブシェフ兼支配人リオネル・ベカ氏は、約80人分の料理を準備し、人を助ける気持ちは格付けより大事だと強調。「われわれは日本に住むフランス料理のシェフで、日本を去らずにここに残ると決めた。助けられることがあれば何でもしたい」と語った。

 避難所では、フランス料理を食べるのは初めてという人もおり、10歳の少女は「こういうのはめったに食べるチャンスがないから、とてもおいしい」と目を輝かせた。

2011年4月5日火曜日

津波の教訓「稲むらの火」 64年ぶり教科書に復活

江戸時代に紀州藩広村(現・和歌山県広川町)を襲った大津波から人々を救った実業家浜口梧陵がモデルの物語「稲むらの火」が、浜口の伝記の形で、4月から使われる小学5年の国語教科書に載った。物語は1937年から10年間、国語教科書に載っており、64年ぶりの復活だ。津波の教訓を子どもたちに再び伝えることになる。

 発行元の光村図書出版(東京)によると、教科書は全国の公立小の6割で使われる。東日本大震災の発生前から掲載が決まっていた。

 物語は1854年、安政南海地震で広村が大津波に襲われた際、浜口がわらに火を放ち、暗がりで逃げ惑う村人を高台に誘導したという実話に基づく。