2012年3月29日木曜日

やればできる 新たな一歩踏み出して 井本絢子


春といえば入学や就職、新しい生活のスタートですね。
 私は大学入学で鳥取から上京するときが、とてもつらかったのを覚えています。「地元に残りたくない」という思いはあるのに、いざ出発日が近づくと、家族と別れるのが悲しくて、すごく泣きました。
 出発日は、鳥取に残る友達も空港に見送りにきてくれたのですが、飛行機に乗り込んだら、トラブルで1時間ぐらい遅れたんです。その間、寒い中、みんなずっと外で待っていてくれたんです。悲しいより、なんだか申し訳ない気持ちになってきて…。祖父は「飛行機は危ない。東京には行かせん、降ろさせろ」と怒って大変だったそうです。機内では、ずっとKiroroの「Best Friend」を聞いていました。高校で親友と呼べる人たちに出会えたので、大学でまた新しい関係を築いていくことに不安でいっぱいだったんです。
 でも、人間の適応能力ってすごいですよね。慣れるんです。そして、その時期は自分だけでなく、周りも不安なんですよ。新しい学校では、友達をつくろうと思っている人ばかりだから、自分が拒否しなければ、打ち解けられるものです。
 「やりたくても、やれないから」という人もいますが、それは実は本当にやりたいと思っていないからだと思います。「やりたい」と思っていたら、できるんですよ。その思いの強さを支えてくれるのは、周りの人たちですね。親には小さいころから、やりたいといったことに「できない」「やらせられない」と言われたことがなかった。そして、友達や仕事の仲間、テレビを見てくださる方、すべてがエネルギーになっています。
 私も、この春から、やろうと思っていることがいくつかあります。
 海外でいろんな方に出会うと、知らないことが本当に多いと感じるようになりました。まずは世界の政治のことでも、宗教や文化、何でもちゃんと勉強しようと思っています。これまでは、ただ目の前の仕事に一生懸命すぎて、そういう考えに至らなかったけど、そろそろ考えなくてはいけない時期。無知って、出会う人に失礼なんだと気付いたんです。
 仕事では、今の自分をつくってくれた「珍獣ハンターイモト」を大事に崩さずしっかりやっていきたい。その上で、さらにお芝居という表現をやってみたいと思っています。そろそろスペイン語も本格的に勉強しますよ。体を動かすことでは、一つはフリークライミング。テレビの仕事で山に登るので必要かなと思ってやってみたのですが、思いのほか楽しくて。いずれは自然の中でロッククライミングができるようになりたいですね。そして最近は自転車生活にはまっています。しまなみ海道をロングライドしてみたいんです。
 この季節、これから新しい生活、環境へ踏み出す人は多いと思います。不安もあると思いますが、「住めば都」というように、行っちゃえばどうにかなります。バンジージャンプでも、何だって、やる前が一番怖いんです。でも、やれば、もちろん怖いですけど、やらないで終わるつらさより、怖かったけどやってよかったと思うほうが、ずっといいと経験して学びました。そういう気持ちで、みなさんも、新しい一歩を踏み出してくださいね。(タレント イモトアヤコこと井本絢子、写真も/SANKEI EXPRESS

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